MMMに関するディスカッション

株式会社オプトと株式会社フィシルコムによるMMMに関するディスカッション

MMMに関するディスカッション

◼️フィシルコム

MMM(マーケティング・モデリング・ミックス)のSaaS「NeX-Ray」を展開するフィシルコムが近年注目されているMMMに関して株式会社オプトにインタビューを実施し、広告主や大手広告代理店のMMMに対する市況感を伺い、当社の見解をまとめた。

株式会社オプト データテクノロジー部 小林 文哉氏

株式会社フィシルコム CEO 与謝 秀作

◼️MMMの市況感

近年、3rd Party Cookieの規制が広がり、従来の計測手法だけではマーケティング活動を十分に捉えきれない状況が生まれています。これによりCookieに依存しない新たな計測手法への注目が高まっています。

また、マーケティングチャネルが複雑化する中で、これまで多くの企業がラストクリックを基準に評価してきた手法の限界が顕在化しています。ラストクリックでは、コンバージョン直前の行動に焦点を当てるため、リーチやブランド認知といったアッパーファネル、検索や検討などのミドルファネルでの貢献度を正しく評価することは困難でした。

こうした背景から、既存の計測手法に加え、Cookieやチャネルに縛られない形でマーケティング活動を包括的に評価したいというニーズが高まり、MMMへの関心が高まっています。

MMMは、施策の短期的な効果や日々のパフォーマンス実績、アンケート調査といった既存の評価手法を補完するものです。これらの手法に加え、MMMはより客観的かつ包括的な視点から、マーケティング活動全体の貢献度や各チャネルの最適な予算配分を明らかにします。複数の視点からデータを捉えることで、より精度の高い意思決定を実現できるようになります。

◼️株式会社オプト

オプトは、「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する。」をパーパスに掲げ、“近く、深く、速く、そして永く。顧客を先導するグロースリーダー”になることを目指しています。顧客企業の先のエンドユーザーへの深い理解と、真に顧客に寄り添った「顧客視点でのLTV」支援を通じ、顧客企業の永続的な事業成長を先導いたします。そして、自らが深くその構造を理解する広告産業を変革(AX=Advertising Transformation®)することで、中長期的にはIX(産業変革=Industrial Transformation®)を実現いたします。

同社は、MMMサービスの提供に加え、成果に寄与したマーケティング施策を顧客に直接聞くアトリビューションツール「One's Data View(ワンズデータビュー)」を独自に開発し、広告主のマーケティングポートフォリオの最適化に向けて伴走しています。

https://optipschannel.opt.ne.jp/solutions/onesdataview 

◼️「NeX-Ray」について

「NeX-Ray」はデジタルに特化したMMMのSaaSである。誰もが1Clickで各媒体のデータを取り込み、デジタル施策のMMMを実現できる。

Web広告はもちろん、SNSへの「いいね」や「フォロー」なども含めた形で実施可能。企業によってはSNSに関して「いいね」や「フォロー数」などをKPIとして設定しているが、実際にどれくらい事業目標に貢献しているかを計測できていないケースも多々ある。フィシルコムはマーケティング施策のデジタルシフトが加速する環境を加味し、デジタルに特化したMMMのSaaS「NeX-Ray」をリリースした。

安価で使い方も簡単であるため、MMMのライト版のように利用してみるユーザーが多く、

2025年8月時点で30,000人以上に利用されています。

◼️「NeX-Ray」サービスサイト

https://www.nex-ray.net

◼️「NeX-Ray」料金表

https://www.nex-ray.net/ja/pricing


※1 LTVM:(Life Time Value Marketing)LTV(顧客生涯価値:Life Time Value)は、従来、あるユーザーが商品・サービスを初めて利用してから、長期的な関係のなかで、サービスを提供する企業が、当該ユーザーから得られる利益を指していました。そのため、サービスを提供する企業側が「いかに一人の顧客から利益を得られるか」という視点で表現されることが多い状況にあります。しかし、当社グループにおいては、企業側が得られる利益を示す観点でのLTVではなく、これまで以上にエンドユーザーを理解し、真に顧客に寄り添った支援に注力し、エンドユーザーへの本質的な価値提供に重きを置くことで、短期利益ではなく、顧客企業の永続的な事業成長に貢献するという概念として捉え、その実現を目指す手段として、「LTVM(Life Time Value Marketing)」と名付けました。

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タイトルで釣ってませんか?~CTRだけを追いかける危険性~

タイトルで釣ってませんか?~CTRだけを追いかける危険性~

CTRは「入り口指標」でしかない 広告運用やSEOを担当していると、どうしてもCTR(クリック率)の数字が気になります。 確かにCTRは、広告や検索結果が「選ばれるかどうか」を測る重要なKPIです。数字が上がれば「改善できた」と思いたくなります。 しかし、CTRはあくまで「入り口の指標」。 クリックされた先でユーザーがすぐに離脱してしまえば、どれだけCTRが高くても意味がありません。実務で成果を上げるには、CVR(コンバージョン率)やCPA(顧客獲得単価)とセットで評価する視点 が欠かせません。 【PR】マーケティングの全体最適ならNeX-Ray NeX-Ray マーケティングミックスモデリングアカウント連携をするだけで、SNSや広告などの様々な媒体を一元管理することができますNeX-Ray マーケティングミックスモデリング 釣りっぽいタイトルや広告が招く失敗 CTRを伸ばすためにありがちな手法が「誇張した表現」や「釣りタイトル」を使うことです。 例: * SEO記事 → 「絶対に稼げる方法!」 * 広告 → 「今だけ100%無料で結果が出る」 こうした表現

By 土田倫生佳
業界別ROASの平均と改善のヒント|広告担当者必見

業界別ROASの平均と改善のヒント|広告担当者必見

1. ROASとは?基本を押さえる ROAS(Return On Advertising Spend)は「広告費に対してどれだけの売上を獲得できたか」を示す指標です。計算式は次の通りです。 ROAS(%)= 広告経由の売上 ÷ 広告費用 × 100 例えば広告費50万円で売上200万円ならROASは400%。広告費1円あたり4円の売上を生んだことになります。 【PR】ROAS最適化ならNeX-Ray NeX-Ray マーケティングミックスモデリングアカウント連携をするだけで、SNSや広告などの様々な媒体を一元管理することができますNeX-Ray マーケティングミックスモデリング 2. ROASの平均はどのくらいか? 「平均的にどの程度あれば良いのか?」は広告運用担当者が気になるポイントです。一般的な目安は以下の通りです。 * 100%未満:広告費を回収できておらず赤字 * 200〜300%:利益率によっては不十分 * 300〜500%:多くの業界で健全ライン * 500%以上:効率的で優秀な水準 ただし、実際には業界や商材の特性によって基準が大きく変わりま

By 土田倫生佳
マーケティングデータ分析の歴史

マーケティングデータ分析の歴史

1950〜70年代は、マスマーケティングと基本統計の時代である。経済成長期で、大量生産・消費の時代であり、企業は「より多くの人に知ってもらう」ことを重視していた。そのため、ターゲティングの概念はほぼ存在せずマクロ戦略が主流としていた。分析方法は、定性調査や定量調査に依存しており、調査は手作業で集計されていた。また基本的な記述統計が使用されていた。 1980〜90年代は、セグメンテーションとCRMの始まりの時代である。POSシステムが導入されたことによりSKU単位の販売データ取得が可能になり、ダイレクトマーケティングやロイヤルマーケティングが登場したことにより「顧客ごとに異なるアプローチをする」という考え方が生まれた。RFM分析が分析方法の定番となり、「One to Oneマーケティング」の準備期なのがこの時代である。購買予測モデルの構築や顧客ランクづけ(有料顧客・休眠客・見込客)によるキャンペーン設計を行い始めた。 2000年代前半は、Webマーケティングとアクセス解析の時代である。インターネットの普及によりユーザーの行動履歴が簡単に取得可能となった。また、Google Analy

By 土田倫生佳
ROAS戦略とは?広告効果を最大化するための基本と実践法

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1. ROASとは?まずは基本を理解する ROAS(Return On Advertising Spend)とは、広告費用に対してどれだけの売上を獲得できたかを示す指標です。 計算式は非常にシンプルで、以下のようになります。 ROAS(%)=広告経由の売上 / 広告費用×100 例えば、10万円の広告費で50万円の売上を得られた場合、ROASは500%です。 つまり「広告費1円で5円の売上を生み出した」ことになります。 2. なぜROAS戦略が重要なのか? 広告運用では「どの広告が成果を生んでいるか」を判断し、効率的に予算を配分する必要があります。 このときROASは、広告の投資対効果を数値で把握できるシンプルな基準となります。 * 無駄な広告費を削減できる * 高パフォーマンス広告に集中投資できる * 利益率を踏まえた健全な広告運営が可能になる ➡ROASを軸に戦略を立てることで、感覚的ではなくデータドリブンな広告運用が実現できます。 3. ROAS戦略の基本的な考え方 ROAS戦略を立てるときには、次の3つのステップを押さえることが大切です。 ① 目

By 土田倫生佳